英語スピーキング力を数値化!Versantってどんな試験?


TOEICの点数が高くても、英会話はまた別っていうし…。
英会話力ってどうやって評価したらいいんだろう。

会社からVersantを受けろって言われたけど…、何を準備したらいいかわからない…

スピーキング力が測れるVersantについて、解説します!
TOEICだけではスピーキング力はわからない。そんなお悩みをもつ方に広がっているのが、Versant(ヴァーサント)という英語テスト。
TOEICよりもより実践に近いリアルな英語で、ビジネスで使えるスピーキングやリスニング力をわずか20分で数値化できるオンライン試験。
企業の昇進基準や海外赴任要件、転職時など、ビジネスシーンでの利用も増えています。
この記事では、そんなVersantテストの試験内容、スコアの目安、TOEICとの違い、効果的な対策法までを、わかりやすく解説します。
Versantってどんな試験?概要を解説

Versantは、ピアソン社が開発した英語の「話す・聞く力」を評価するテスト。スマホやPCを使って、場所を選ばず受験でき、結果はAIによって自動採点されます。
Versantテストには、下記の通りいくつか種類があります。
Speaking and Listening Test | Writing Test | Placement Test(4-skills) | |
内容 | スピーキング リスニング | ライティング | スピーキング リスニング ライティング リーディング |
価格(税込) | 6,600円 | 4,400円 | 7,700円 |
※Speaking Testは2025年3月末に終了しました。
Versant Speaking & Listening Test
ビジネスでよく使われるのは「Speaking & Listening Test」。英文のリピートや、リスニング問題などを通じて、リスニング力とスピーキング力が評価されます
24時間、どこでも受験可能で、試験時間はわずか約20分。忙しい方でも気軽に受験できるので、特に独学の方のスピーキングレベルチェックに向いています。
客観的に評価することが難しいスピーキングにおいて、スキルアップの目安となるでしょう。
- PCやスマホで受験
- 自宅など、ネット環境があればどこからでも受験できる
- 24時間365日、いつでも受験可能
- AIによる自動音声認識システム採点
- 受験後すぐに結果がでる(5~10分)
- 詳細なスコアレポートがもらえる
- Speaking and Listening 受験料は 6,600円(税別)
この、自分のタイミングで受けられて、すぐに結果が出るというのは、独学でのチェックにちょうどいいでしょう。

スピーキングはTOEIC模試のように、自己採点が難しいですからね。
Versantの試験内容は?
では、ここからは実際の試験内容とどんな問題がでるかを説明していきます。
Versantの試験は全6パート
VersantのSpeaking and Listening試験は全部で6つのパートに分かれており、説明を含め、質問はすべて英語です。
Part | 内容 | 問題数 |
A | 短答:質問を聞いて簡単に答える | 8 |
B | 復唱:聞いた文をそのまま繰り返す | 16 |
C | 会話理解:短い会話を聞き、質問に答える | 6 |
D | 文章理解:ナレーションを聞聞き、質問に答える | 6 |
E | ストーリーテリング:話を再構築して話す | 2 |
F | 自由回答:自分の意見や考えを英語で述べる | 2 |
問題がどんどん進むので、時間は20分ですが、意外に短く感じます。
では、それぞれのパートについて説明していきます。
A. 短答:質問を聞いて簡単に答える 8問
シンプルな英語の質問に対し、短いフレーズや単語で答える形式。例えば次のような問題がでます。
【例題】
Q:What day comes after Friday?
A:Saterday
Q: How many legs does a spider have?
A: Eight
日本語だとすごく簡単ですが、とっさに英語で答えられるかどうかがキモ。リスニング力と瞬発力、そして地味に単語力が問われるこの問題。

もしも分からない時は、沈黙せずに”I don’t know “などと意思表示します。
私も受験した時に、答えは「虫眼鏡」だと分かったのですが、それを英語で何と言うかがわからず、答えられませんでした。
B. 復唱:聞いた文をそのまま繰り返す 16問
読み上げられる英文を聞いて、そのまま正確に繰り返します。発音、リズム、イントネーションなどの再現力が評価されます。
【例題】
音声: The weather was perfect for a picnic in the park.
リピート: The weather was perfect for a picnic in the park.
音声: She works in the city but lives in the suburbs.
リピート: She works in the city but lives in the suburbs.
※英文は表示されません。
シャドウイングのように追うのではなく、音声が終わって音がなってからリピートします。

最初のうちは短文なのでいいのですが、語数が多くなればなるほど覚えるのが難しくなります
かといって、ゆっくりやろうとすると、次の問題の読み上げがスタートしてしまい、焦る。
本番では切り替えも大事になると思います。
C. 会話理解:短い会話を聞き、質問に答える 6問
短い会話を聞いた後、内容に関する質問に答えます。話の流れを素早く把握し、要点をつかむ力が必要です。
会話は2ラリーくらいで、それほど難しくはありません。
【例外】
M:I just found out the shipment didn’t go out this morning.
W:Oh no, that’s going to delay the entire order.
M:I’ve already contacted the courier to arrange pickup this afternoon.
W:Let’s hope that minimizes the delay.
質問:
What did the man do after discovering the shipment issue?
想定解答: He contacted the courier.
1つの会話につき、質問は1つだけ出されます。回答は単語や短文など、シンプルで問題ありません。
D. 文章理解:ナレーションを聞き、質問に答える 6問
ナレーション形式の英語を聞き、その内容に関する設問に答えます。情報の聞き取りと要約力が問われます。
こちらは1つのナレーションにつき3問出題されますので、ナレーションは全部で2つです。
【例題】
ナレーション:
Next week, Mr. Davis will travel to Singapore for a business conference. He plans to leave on Monday morning and return on Thursday evening. During his trip, he will attend several meetings with partners, present a new product, and meet potential clients. Although his schedule is packed, he hopes to take some time on Wednesday to explore the city.
質問:
Q:Where is Mr. Davis going next week?
→ Singapore
Q:What is one thing Mr. Davis will do during his trip?
→ Present a new product
Q:What does he hope to do on Wednesday?
→ Explore the city
E. ストーリーテリング:話を再構築して話す 2問
短いストーリーを聞いて、その話を30秒で要約します。文章は1回しか読まれず、問題文は表示されません。

リピートしていたら、30秒間に間に合わないので、理解→要約→英語に変換。
完全に同じである必要はありません。
【例題】
ナレーション:
Emily went to a new café with her friend last weekend. They had coffee and talked for over an hour. After leaving the café, Emily realized that she had left her wallet on the table. She rushed back immediately, feeling nervous. When she arrived, a staff member recognized her and handed her the wallet, which had been kept safely at the counter. Emily was relieved and thanked the staff for their honesty. She learned to always double-check before leaving a place.
サンプル回答:
Emily went to a café with a friend and forgot her wallet at the table. When she returned, the staff had kept it safe and gave it back to her. She was very relieved and appreciated their honesty. The experience taught her to be more careful in the future.
ストーリーは2問出題されます。
F. 自由回答:自分の意見や考えを英語で述べる 2問
質問に対して意見を述べます。回答時間は40秒です。
【例題】
Q: Do you prefer working alone or in a team? Why?
Q:Explain two advantages of living in a big city.
テスト内容については、以下の公式HPの動画がわかりやすいです。回答者の声も入っているので、どんな感じで答えるのかイメージがつきます。事前に確認しておきましょう。
もっと詳しく知りたい方は、情報がまとまっている書籍なども参考にしてください
Versantのアプリから無料でサンプルテストが受験可能

いきなり本番を受けるのは不安だなー
Versantのアプリでは、サンプルテストが提供されています。
- Versantがどんなテストか知りたい
- 練習してから、本番に望みたい
という方は、まずはアプリをダウンロードして、サンプルテストを試してみてください。
知っておきたいVersantの採点方法の仕組み

ここからはVersantの採点方法やスコアの目安について説明していきます。
Versantのスコアと採点項目
Versantは、受験者の音声回答をAIが自動で採点し、(10〜90点)が算出されます。
新形式のSpeaking and Listeningテストでは、以下のスコアが分かるようになりました。
GSE総合スコア
┗スピーキングスコア
┗話法能力スコア(Manner of Speaking)
┗リーディングスコア
しかし、6つある全てのパートでスピーキングとリスニングのスコアが判定されるわけではありません。

え、全部スピーキングがチェックされているわけじゃないの?
テストのスコア配分は、パートにより異なります。下記は、公式のお知らせより引用したスコア配分です。

画像引用元:新テスト「VERSANT English Speaking and Listening Test」発売開始
例えば、PartAで答えた短い回答においては、Speakingの採点項目である発音や流暢さなどは判定されません。
この画像を整理するとこのようになります。
リスニング | スピーキング Use&Contents | スピーキング Manner | |
---|---|---|---|
A:短答 | 〇 | ||
B:リピート | 〇 | 〇 | |
C:会話理解 | 〇 | ||
D:文章理解 | 〇 | ||
E:ストーリー | 〇 | 〇 | 〇 |
F:自由回答 | 〇 | 〇 | |
総合スコア配分 | 50% | 25% | 25% |
また、スピーキングの2つの項目は、以下の要素から判定されます
Use&Contents of Spoken Language :語彙、文章構文
Manner of Speaking :流暢さ、発音、わかりやすさ

実際のレポートでは、”Use & Contents”のスコアは出ませんが、比率が半々なので、スピーキングの総合点から逆算できますね
このことを知っておくと、Versantを受けたあと、自分が苦手なスキルはどこなのか、どの問題の点数が低かったかを判断する目安になります。
対策をするにも、どの問題に力を入れるべきかがわかりますよね。

ちなみに私は、語彙、構文がかなり低かったです。
Versantのスコア目安とスコアアップ

Versantのスコア目安
Versantのスコア範囲は10〜90点。CEFRに準拠した指標で評価されます。
ピアソンよりスコアと英語力の目安が公開されています。

画像引用:Versant 公式HP
Versantでは、グローバルビジネスに必要な英語力として、スコア43点以上(中級者)をあげています。
ですので、これから受験される方は、まずはこのスコアを目指すのがいいと思います。
Versantの難易度はどのくらい?

私は、TOEIC LRよりも、Versantの方が難しいと感じます。
難しいと感じる理由は以下のようなもの
- 英語がTOEICより速く、アクセントや雑音もつよい(より実際に近い)
- 「聞いて理解して、すぐに英語で話す」スピーキング力が必要
- TOEICではあまり登場しない単語もでてくる(おむつなど)
- スピーキングしながら残り時間がわからない
つまり、より実践に近い英語力が問われます。
だからこそ、実務に活かせる英語力を測りたい方には、Versantがいい目安になる試験なんですね。
旧型式のデータにはなりますが、日本人の平均は38点だったそうです。

やはり日本人にとって英語スピーキングは課題ですね
VersantとTOEICの相関はどのくらい?
Versantが気になる方はTOEICを受験している方も多いのではないでしょうか?
これについても、前述した「英語スピーキング・チャレンジ2020年秋 レポート」にデータがありました
※注) 旧型式テストのデータなので、現在の新形式Verと試験内容、スコアレンジは異なります

画像引用:英語スピーキング・チャレンジ2020年秋 レポート
ある程度の相関はありつつも、点数が上がるにつれ、Versantの点数はばらつく傾向があるようです
特に点数があがるほど、ばらつきが大きくなりますね。
「TOEIC 900点なのに話せない」という話しを聞きますが、実際は、「TOEIC 900点以上でも、スピーキングが得意な人と苦手な人がいる」ということなんでしょう。
ちなみに私のスコアはこちら↓
※クリックで開きます
- TOEIC LR 935点 私のVersant スコア点数はこちら
-
Versantのスコアはこちら
項目 スコア 総合 60 スピーキング 51 ┗話法 56 ┗語彙、文法(スコア配分より逆算) 46 リスニング 68 TOEICでもリスニングは満点。Part5の文法・語彙が一番苦手なので、相関性がありますね…
それでも外資系に転職する前は53点だったので、多少は上がった気もします。
TOEIC LRだけでなくVersantの点数が高ければ、英会話もできるということを客観的に示せるため、転職や社内でのアピールにも有利に働くでしょう。
受験した感想はこちらの記事に書いています

Versant スコアアップのコツと対策
Versantは小手先で点数をあげることは難しいテストです。
必要なものは以下に順番で取り組んでいくこと。
- 英語基礎力:単語、文法。TOEIC学習も基礎力強化につながる
- スピーキング練習:リピートやシャドウイング、発音矯正
- 実践練習:オンライン英会話、AI英会話
しっかりと基礎固めをして、地道にスキルをつみあげていくことになります。
自分が今どのフェーズに力を入れるべきかが分からない時には、一度受験してみてスコアから苦手を見つけるのもいいでしょう。
スコアアップに使える英語学習教材やアプリをいくつか紹介します
無料体験があるものも多いので、最初はお試しで合うものを探してみましょう。
まとめ:Versantでスピーキング力を示そう
Versantは、評価が難しい英語スピーキング力を数字で見える化できるテストです。
試験の形式を知り、基本のトレーニングを続ければ、必ずスコアは伸びていきます。アプリで基礎を固めたり、少しずつ実践練習を重ねながら、自分のペースで力をつけていきましょう。
うまく話せない日があっても大丈夫。英語力はすぐに変わらなくても、努力を続けるほど確実に積み上がっていきます。私もB2+を目標にがんばっています

英語が話せる未来を目指して、一緒にがんばりましょう。
