品質管理検定(QC検定)ってどんなもの?概要・難易度・合格率を解説
会社からQC検定を受けるように言われたけど、どんな試験なんだろう
QC検定って、品質にかかわる仕事をしていても、あまりなじみのない資格ですよね
本記事では、品質管理検定(QC検定)ってどんなものなのかについて、概要を説明します。
この記事でわかること
- 品質管理検定(QC検定)の概要と申込方法
- QC検定の受験するメリット
- QC検定の難易度と合格率
これからQC検定を受けようと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
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品質管理検定(QC検定)とは?
品質管理検定ってどんな試験?
試験の概要は以下の通りです
- 品質管理に関する知識をはかるための試験(筆記のみ)
- 受験級は1級~4級の4段階
- 受験資格なし(いきなり1級から受験も可能)
- 上下の級の併願受験が可能
各級のレベルについて
公式サイトによると、各級の主な対象は以下の通りです。
タイトル | 対象者 | 例 |
1級 | 企業内において品質管理全般についての知識が要求される業務にたずさわる | 品質管理の指導者 部門横断の品質解決リーダー |
2級 | QC七つ道具などを使って品質に関わる問題を解決することを求められる | 品質にかかわる部署(品質管理、品質保証、研究・開発、生産、技術)の管理職・スタッフ |
3級 | QC七つ道具などの個別の手法を理解している | 職場の問題解決をする全社員 大学生、高専生、工業高校生 |
4級 | これから企業で働こうとする方々 | これから就職する方、大学生、高専生、高校生 |
実際に どんな人が受験しているの?
細かい受験者データが、公式ホームページで公開されています。
- 受験者の傾向
- ・製造業関係が最も多く約7割
・年齢層は幅広く、平均は35歳。
・4級のみ10代の受験者が多い
試験の内容と申し込みについて
時間が午前と午後に分かれているため、1&2級、2&3級、3&4級の併願受験が可能です。
各級1つのみ受験の場合
試験時間 | 形式 | 受験料(税込) | 併願可能 | |
1級 | 13:30~15:40 | マークシート (90分+回収10分) 論述(30分) | 11,000円 | 2級 |
1級 (準1級認定者) | 13:30~15:40 | マークシート (90分+回収10分) 論述(30分) | 10,450円 | 2級 |
1級 (一次試験免除) | 15:10~15:40 | 論述(30分) | 8,800円 | – |
2級 | 10:30~12:00 ( 90分) | マークシート | 6,380円 | 1級・3級 |
3級 | 13:30~15:00 ( 90分) | マークシート | 5,170円 | 2級・4級 |
4級 | 10:30~12:00 ( 90分) | マークシート | 3,960円 | 3級 |
併願受験の場合
試験時間 | 受験料(税込) | |
1&2級 | 10:30~12:00( 90分) 13:30~15:30(120分) | 15,730円 |
2&3級 | 10:30~12:00( 90分) 13:30~15:30(90分) | 10,450円 |
3&4級 | 10:30~12:00( 90分) 13:30~15:00( 90分) | 8,250円 |
併願受験は必ず一緒に申し込みましょう 。以下のようなケースでは別の申し込みとして受付されます
- 会社で3級の団体受験を申し込み、個人で2級の申し込みをした
- 2級の申し込みをし、後日3級の申し込みを追加した
受験会場が分かれたり、併願受験料が適応されませんので、注意してください
申し込みは公式サイトから→ 品質管理検定 申し込み方法
試験内容について
科目は実践と手法の2科目。2級、3級の概要は以下のようなものになります。(※1級、4級は少々異なります)
2022年9月より、準1級が認定から合格に変わりました。
1級試験で1次試験(マークシート)のみ合格基準に達すると、準1級となります。
詳しくはこちら:
具体的な試験範囲は品質管理検定 公式HPのレベル表に掲載されています。
試験スケジュールについて
毎年、3月と9月の年2回試験が開催されます。
試験日に対し、申し込み締め切りが早いので、見逃さないように注意しましょう。
また、支払方法によって締め切りが異なるので、注意が必要です。
第36回 | 第37回 | 第38回 | |
試験日 | 2023年9月3日(日) | 2024年 3月 17日(日) | 2024年 9月 1日(日) |
申込受付 | 2023年6月2日 ~7月4日(火)17時 クレジットカード払 ~6月23日(金) コンビニ/楽天ペイ・LINE Pay | 未定 | 未定 |
受検票の発送 | 試験の約1か月前 | 試験の約1か月前 | 試験の約1か月前 |
基準解答公開 | 2023年9月5日(火) | 2024年 3月 19日(火) 予定 | 2024年 9月 3日(火) |
WEB合格発表 | 10月12日(木) 10:00 | 未定 |
週明けすぐに基準解答が公表されます。
問題は持ち帰れるので、気になる方は問題にも答えを書き写して自己採点しましょう。
第35回 (2023年3月19日)基準回答はこちら(公式サイト)
QC検定に合格するメリットは?
QC検定に合格するメリットには以下のようなものがあります。
- 品質に関する知識を客観的に示せる
- 就職活動や昇進に有利になる
- 品質に関する知識を業務に活かせる
順番に解説していきます。
品質に関する知識を客観的に示せる
知識があるということを伝えるのは難しいです。
試験は一定の基準で評価されますので、合格する知識があるということを 客観的に示すことができます。
就職活動や昇進に有利になる
特に製造業や品質系の職種をターゲットにしている場合は、品質管理の資格は評価されます。
履歴書に書くなら少なくとも3級以上。できれば2級が欲しい。
品質保証部門はもちろん、内部監査や工場の管理職部門などの求人に書かれていることが多いです
それ以外にも、実践編の内容は広く仕事上で使える内容なので、知識をつけておくことは役立ちます。
品質に関する知識を業務に活かせる
実際に製造業で品質活動や工程改善をする際、品質管理で学んだ言葉や統計の知識を使うことは多いです。
たとえば抜き取り検査や工程能力などは、製造の工程管理で、毎日のように使われていました。
QC検定を勉強したことで、それがどういうことを示しているのかの理解が深くなります。
QC検定の難易度はどのくらい?
QC検定は試験前にきちんと勉強をすれば合格できる試験。
3級は約半数、2級は4人に1人が合格するくらいの難易度です。
合格率はどのくらい?
各級のおよその合格率はこちらです。正確な数字は下に記載している公式サイトから確認できます。
およその合格率 | |
1級 | 10% |
準1級 (1級の一次試験のみ合格者) | 20% |
2級 | 25% |
3級 | 55% |
4級 | 85% |
合格率は3級は50%程度、2級は25%程度。
年々下がっていますので、受けるなら早めがおすすめ。
合格率だけみると、難易度が高いように見えますが、同じような問題が出題されますので、しっかり勉強みて、問題を繰り替えし練習すれば手堅く合格できます。
2022年9月より、準1級が認定から合格に変わりました。
1級試験で1次試験(マークシート)のみ合格基準に達すると、準1級となります。
詳しくはこちら:
[最新] 2023年3月 (第35回) QC検定の合格率
直近の第35回の受験者データはこちらから確認できます。
※データの転載引用が禁止されているため、正確な数字はこちらの公式サイトにてご確認ください
QC検定の勉強期間はどのくらい?
私は2級に合格した時、合計で70時間勉強し、8割程度の得点率でした。
2級は3~4か月、3級でも1~2か月は見ておいた方が安全です。
しかし、実際に勉強した手応えからすると、元々の知識によって難易度は大きく変わります。
具体的にはこれらに、Yesが多いほど、難易度は下がります。
- 普段、品質管理に関係する業務をしているか?
- データを評価し、判断する業務があるか?
- 統計に関する基本的な知識があるか?
私の場合は、実験計画や工程能力評価、などを元々仕事で使っていたので、割ととっつきやすかったです。
しかし、品質管理に全く関係ない人が受けることは少ない試験でしょうから、実際の業務に照らし合わせて考えると、理解しやすいかと思います。
特に実践編は、同じ問題は出ないので、イメージと結びつけて考えることが重要です。
QC検定の勉強法は?
王道は、テキストで学んで、過去問をやりこみ。
勉強法について詳しくはこちらの記事でまとめていますので、合わせてご覧ください。
過去問で手法、実践ともに7割越えるようになれば、合格は堅いです。
まずはマンガから始めてみるのもあり
QC検定の基本は統計学。最初に統計学の基本知識を入れておくと理解がスムーズになります。
統計なんて難しそうという方にはマンガで学べるものをおすすめします
電卓は最初に準備しよう
QC検定の計算問題には電卓が必須。
試験直前ではなく、早い段階で準備しましょう。
なぜなら、メーカーによってキーの配置が微妙に違うので、自分の電卓に慣れておくことで、計算も早くなり、ミスも減るからです。
ルートキーがついているものを選ぶように注意。関数電卓は禁止されています。
QC検定におすすめの電卓 2選
条件を満たしたおすすめの電卓を2つ紹介します。
私はルートがついていないものを買って、再購入する失敗をしました。きちんと条件を満たしたものをえらびましょう
また、計算が速くなる電卓の便利機能をこちらの記事で紹介していますので、合わせてご覧ください。
3級・4級は過去問アプリが期間限定で販売中(2022年版)
3級・4級限定ですが、日本規格協会から、QC検定の学習アプリがリリースされています。
通勤・通学中や隙間時間で勉強したい方におすすめ
アプリは4種類あります。過去問の量によって、若干値段が変わりますので注意しましょう
アプリ | 有料コンテンツ 過去問&解説 | 金額 | 無料問題 | 販売期間 |
3級 | ①2回分セット ②4回分セット ③6回分セット | ①1,340円 ②1,600円 ③1,720円 | 5問 | 2022年6月まで |
3級 Lite | 2回分セット | 1,340円 | 5問 | 2021年11月まで |
4級 | ①4回分セット ②2回分セット | ①1,220円 ②730円 | 3問 | 2022年6月まで |
4級 Lite | 2回分セット | 730円 | 3問 | 2021年11月まで |
- 詳細&ダウンロードはこちらから:QC検定 過去問・解説アプリ 2022 年版(3級・4級)のご案内
まとめ:QC検定試験の概要
- 製造や技術系の現場での品質管理に役に立つ試験
- 就職や転職時、履歴書に書くことも可能
- 合格のコツは、過去問とテキストのやりこみ
特に製造系の職種ならコスパは悪くないので、おすすめの資格です