【外資系】貿易・海外調達で使う英語表現


ちょっとしたことなのに、英語でどう言えばいいか詰まってしまう。

よく使う英語表現を、少しずつインプットしていきましょう!
私は外資系企業でマーケティング(プロダクトマネージャー)の仕事をしています。
仕事にはトラブルが付きもの。

製造工程で間違えたものができたり、通関で引っかかったり、デモで港がクローズしたり…etc
貿易や調達の実務は、SCMやPurchasingの担当領域。
でも、プロマネも製品全体を見ているからこそ、
既存製品の供給だけでなく、安定供給を見越した製品設計やサプライヤー選定に関わることもあります。
そんなとき、よく使われる英語表現や単語を知っているだけで、やり取りがぐっと楽になります。
この記事では、実際に「貿易・海外調達・OEM」の場面で使われている英語表現をシーン別に紹介しています。
英語表現を知るだけでなく、

へえ、マーケの仕事ってこういうこともあるんだな
という目線でも読んでみたら、面白いかもしれません。
これから外資系企業やマーケティング職を目指す方の参考になれば嬉しいです!
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貿易・海外調達で使う英語表現
価格・条件交渉
ビジネスの基本となる交渉、特に価格交渉などのフレーズを紹介します

target price(目標価格)
Our target price for this project is $100 per unit.
(この案件での目標価格は1個100ドルです。)
最初から提示するかは、状況や関係性にもよりますが、交渉にあたりターゲットプライスは必ず設定します。
価格設定の中にも温度感があり、交渉前に内部である程度決めて、共通認識とします。
- ここまで下がればベスト!という理想価格(ideal price)
- 最低ここまでは下がらないとビジネスできない最低許容価格(bottom line price)
- 実際このくらいで合意とれればいいかな…という、妥協点の価格(resonable price)
competitive pricing(競争力のある価格)
We’re looking for more competitive pricing on this item.
(この品目でもう少し競争力のある価格を希望します。)

low price よりも、Competitive priceのほうがよく使います。
ただ下げてくれというよりも、ビジネスに対する前向きさを感じますよね。
open to discuss(検討の余地がある・交渉可能)
We’re open to discuss other adjustments to help bring the price down.
(価格を下げるために、他の条件の調整も検討可能です。)
ただ価格を下げるお願いをするだけでなく、「他のことで調整できませんか?」というのもよくあるシチュエーション。
お互いにとってメリットがあるように、探っていくのが、長く良い関係性を続けるコツだと思います。
“adjustments” は数量、納期、仕様など幅広く含められて便利な言葉です。
volume discount(数量割引)
Is there any room for a volume discount if we increase the quantity?
(数量を増やした場合、割引の余地はありますか?)
交渉カードの定番の1つがボリュームディスカウント。カタカナ語にもなっていますね

たくさん買う分安くしてもらうのは、お互いにメリットがあるWIN-WINな提案にできますね。
counteroffer(カウンターオファー、逆提案)
Let’s align internally on possible counteroffers before we talk to them.
(先方と話す前に、社内でカウンターオファー案を整理しておきましょう。)
Would you consider revising the price based on a higher volume?
(数量を増やした前提で価格の見直しは可能でしょうか?)
交渉ごとでは、二の手、三の手を用意しておいた方が話がスムーズに進みます。

「持ち帰って、社内で承認とってから連絡します」が続いては、
会議で直接話している意義が薄れますからね…
そんな時にこちらから提案するものをカウンターオファーと呼んでいます。
契約・取引条件

NDA(秘密保持契約 / Non-Disclosure Agreement)
Can you send over your standard NDA for our legal team to review?
(御社の標準NDAを送っていただけますか?当社法務で確認します。)
企業同士でビジネスを始めるとき、一番最初に結ぶ書類がNDA。
機密の範囲や期間などに加え、海外企業とだと、トラブル時にどこの法律でどこの裁判所で行うかがポイントに。

どちらかで折り合いがつかない時は、シンガポールなどの第三国を提案してます。
contract period(契約期間)
We’re proposing a 2-year contract with fixed pricing.
(2年間の固定価格契約を提案します。)
更新(renewal) するときは、また改めて価格交渉。
期間が短くて、更新が頻繁にあると合意まで時間もかかるし、すごく大変。
でも、契約期間が長いと価格固定で、値下げ交渉の余地がない。どちらも良い面と悪い面があります。
(関係ないけど、いいことと悪いことをいうのに、「プロ/コン派」と「メリ/デメ派」っていません?)
MOQ (minimum order quantity / 最小発注数量)
The MOQ for this item is 50000 units.
(この品目の最小発注数量は5万個です。)
価格だけでなく、MOQも契約時の重要ポイント。
多く出せれば出せるほど安くなるけれども、保管場所と保管料、そして使用期限の問題が発生。

売り切らなければ最悪廃棄になる可能性も。
価格とMOQのバランスは、慎重に計算が必要です。
SKU(品番、品目管理単位)
This model will have 3 color SKUs.
(このモデルはカラーで3つのSKUを持ちます。)
SKU = Stock Keeping Unit の略で、実務では「品番」や「品目単位」として使われます。
色違い・サイズ違い・仕様違いなど、在庫や出荷単位が変わるものは別SKUとして管理されます。

SKU??って何ですか?って聞いた覚えが。
こういう似たような略語がたくさん出てきて、最初はほんとに大変でした。
PO (purchase order 発注書発行)(読み方はそのままピーオー)
We’ll issue the PO once the specifications are finalized.
(仕様確定後に発注書を発行します。)
PO=仕様を最終合意した後の正式な発注。
これが出ないと、どれだけ仕様をすり合わせても量産へは動けません。
品質・製品仕様

product specification sheet(製品仕様書)
Please update the product specification sheet accordingly.
(製品仕様書を修正してください。)
最終的な製品のスペックが書かれているもの。
日本のメーカーのようにしっかりとした製品仕様書が出てくることは経験上あまりありません。図面だったり、表だけだったり。
場合によっては、仕様をヒアリングしてこちら側で作成し、確認・サインをもらうパターンもありました。

製品に不具合があったときに、不具合の根拠にもなるのがこの仕様書。
日本とは違い、口約束は約束ではない文化なので、しっかりサインで残しておくとトラブルを軽減できます
(避けられる…とまでは、なかなかいかないです💦)
100% inspection(全数検査)
sampling inspection(抜き取り検査) :一部をサンプリングして検査
This SKU is subject to 100% inspection.
(この品番は全数検査の対象です。)
抜取り数や頻度はロット規模と検査レベルによって決まります。

もちろん全数検査は安心だけど、工数増加はコストUPに繋がるので、バランスが重要
製品の特性や過去の実績で、どのレベルで検査するかを合意していきます。
quality agreement(品質合意/クォリティ・アグリーメント)
Both parties need to sign the quality agreement before mass production.
(量産前に双方でクォリティアグリーメントを締結する必要があります。)
visual inspection(外観検査) / performance test(性能試験)
Each unit will also undergo a performance test to ensure proper operation.
(すべての製品は正常動作を確認するため性能試験も行います。)
性能試験だけでなく、外観検査も重要なポイント。

特に日本のユーザーはグローバル基準よりも、かなり外観の不具合を気にします。
日本人にとって当たり前のことが、世界では全然通じないので、できるだけ客観的な指標で認識合わせをすることが本当に大切。
大きさ・深さ・範囲などの数値基準、現物見本(良品見本、不良見本)など。
変色などは特に難しいですね。
corrective action(是正措置)
Please submit a corrective action plan for the issue.
(今回の問題に対する是正計画を提出してください。)
不具合が起きたときに、レポート(報告書)だけで終わる場合もありますし、影響度や重大性なども考慮し、是正処置を出す場合もあります。

Audit(監査)などの不適合で出す場合もありますね
生産が保留になるのは困るのですが…、きちんと仕組み化することで、品質が守られるので、仕方ない。
輸出入・貿易

lead time(リードタイム、納期)
The standard lead time is 6 weeks after PO.
(通常の納期は発注後6週間です。)

納期=製品出荷までを指し、輸送期間は含まれないことが多いので、タイムラインを引くときには注意が必要
業界や企業によっても変わるかもしれませんので、確認しましょう。
partial shipment(分納)
We are open to partial shipments if full delivery is not possible.
(全量納入が難しい場合は分納も可能です。)
1つのPOを計画的に分けるときもありますし、遅延や欠品が出そうな時などに、できた分だけ先に出してもらうこともあります。

輸送費は上がることになりますが、バックオーダー(受注残)を防ぐためにはやむを得ない
Incoterms(インコタームズ/貿易取引条件)
The quotation is based on FOB under Incoterms 2020.
(見積はインコタームズ2020のFOB条件です。)

インコタームズ…?

輸出入の費用と貨物の責任に関する国際ルールです。
例えば輸送途中で事故などが起きることがあります。
どの時点まで、どちらの責任範囲かを明確にするルールです。
EXW | 工場渡し | 工場の敷地内まで |
FOB | 本船渡し | 輸出国の港で船に積むまで |
CIF | 運賃・保険料込 | 運賃も保険も売りて負担。 |
輸送コスト
transportation cost(輸送コスト)
Transportation cost varies depending on the route and volume.
(輸送コストはルートや数量によって変動します。)

輸送ルートは最短が最安…… ではありません!
どの国の空港を経由するかでコストは跳ね上がります。
便数で供給の安定性とも絡むので、これまた、バランスが重要です。
tariff (関税)
The tariff rate for this item is 8%.
(この製品の関税率は8%です。)
輸出入をやっていて欠かせないのが関税。国や製品群によって、税率も変わります。

米国のトランプ大統領が就任後に、貿易摩擦国(中国など)に対して高い関税をかけたのは、衝撃でしたね
製品そのもの、輸送に加え、この関税も輸入コスト計算に大きな影響を与えます。
マーケティングは、価格設定をするにあたり、このようなコストも考慮して、計算をしていきます。

今はエクセルがお友達ですが、そのうちAIが最適解をはじき出すようになっていきそうですね
関税は輸入時にかかる税金ですが、国際協定により、免税されるケースがあります。
FTA / EPA | 自由貿易・経済連携協定 | 関税がゼロになる国どうしの協定。 |
RCEP | アジア中心の広域協定 | 日本・中国・ASEANなどが加盟 |
製品はA国のほうが安くても、関税などを考慮したトータルコストではB国製品のほうが安いということもよく起こります。
まとめ
貿易や海外調達、OEMのやりとりでは、英語そのもの以上に、ビジネスの進め方や感覚の違いに戸惑う場面がたくさんあります。
特に日本のユーザーは、細部へのこだわりが強いため

同じ製品でもクレーム率が他国に比べて圧倒的に高い
だからこそ、調整や交渉の機会も自然と増えていくのだと思います。
まだまだ、試行錯誤の毎日。
でも、そんなやり取りの中で少しずつ積み上がってきたのが、この記事で紹介した英語表現たちです。
同じように奮闘している誰かの役に立てば、うれしいです。
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